PM2.5の救世主―霊芝

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2016年4月の<American Journal of Chinese Medicine>に、世界初のPM2.5と霊芝に関する論文が台湾の学者によって発表されました。この数年間、PM2.5は誰もがよく知っている恐ろしい存在になり、PM2.5に関与する疾病は癌を始め、心血管疾患やアレルギー、認知症、肥満そして新生児の早産まで、PM2.5が関与していると言われています。

文/許嘉玲  中文版/請連結

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2016年4月の<American Journal of Chinese Medicine>に、世界初のPM2.5と霊芝に関する論文が台湾の学者によって発表されました。この数年間、PM2.5は誰もがよく知っている恐ろしい存在になり、PM2.5に関与する疾病は癌を始め、心血管疾患やアレルギー、認知症、肥満そして新生児の早産まで、PM2.5が関与していると言われています。

 

そもそも、PM2.5って言うのは一体何者でしょうか?

PM2.5は大気中に浮遊している2.5μm(1μmは1mmの千分の1)以下の小さな粒子のことで、従来から環境基準を定めて対策を進めてきた浮遊粒子状物質(SPM:10μm以下の粒子)よりも小さな粒子を指します。

PM2.5は非常に小さいため(髪の毛の太さの1/30程度)、肺の奥深くまで入りやすく、呼吸系への影響に加え、循環器系へも影響する恐れがあると言われています。粒子状物質には、物の燃焼などによって直接排出されるものと、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、揮発性有機化合物(VOC)等のガス状大気汚染物質が、主として環境大気中での化学反応により粒子化したものとがあります。発生源としては、ボイラー、焼却炉などの煤煙を発生する施設、コークス炉、鉱物の堆積場などの粉塵が発生する施設、自動車、船舶、航空機など、人為起源のもの、さらには、土壌、海洋、火山等の自然起源のものもあります。<環境省http://www.env.go.jp/air/osen/pm/info.html>

 

PM2.5はどうやって肺から血液循環に入るのでしょうか?

肺胞の中には毛細血管が沢山含まれています。私たちが呼吸時に吸い込んだ酸素と吐いた二酸化炭素はここでガス交換を行っています。そして、PM2.5もここから私たちの体に入り込みます。

肺胞の中の毛細血管を構成する内皮細胞の繋がりは元々密接でありますが、PM2.5は細胞同士を引っつける蛋白質を壊し、その結果細胞同士の繋がりを緩ませます。そして、PM2.5は細胞同士の隙間から血管に入り込んで、血流に乗って全身を駆け巡ります。

 

霊芝を長期間摂取することによって、体をPM2.5から守る?

霊芝は人体をPM2.5から守ることを証明する為に、以下の実験を行いました。

まずは人体の内皮細胞を霊芝の抽出液につけておいて、つけた時間によって4組に分けました。1組は24時間、2組は48時間、3組は72時間、最後の組は2週間、抽出液につけました。そして、それぞれの内皮細胞を高濃度のPM2.5に24時間さらします。この実験の結果、24時間、48時間と72時間組の内皮細胞の生存時間は微かに伸びましたが、その後はやはりPM2.5の毒性に耐えられずに死滅しました。しかし、霊芝の抽出液に2週間をつけた内皮細胞の生存率は3割上がり、血管透過性も9割減少しました。この結果から、長時間霊芝の抽出液につけた内皮細胞はPM2.5の毒性への抵抗力が増すことがわかります。霊芝は、今日飲むと明日からすぐに保護効果が出るという訳ではなく、長時間の保養で体の状態を整えて、生活のあらゆる危険因子から自分を守ってくれるのです。

〔出典〕Tseng CY, et al. Potent In Vitro Protection Against PM2.5-Caused ROS Generation and Vascular Permeability by Long-Term Pretreatment with Ganoderma tsugae. Am J Chin Med. 2016 Apr;44(2):355-76. doi: 10.1142/S0192415X16500208.